芹沢くんと連絡先を交換してから、初めての月曜日。授業中は強烈な眠気と空腹に襲われ、昼食の時間は綾美と話して。残りの昼休みは芹沢くんと話して。特に変わったこともなく学校での1日を終えた。


今は少し前に始めた宿題との格闘を続けている。だけど、宿題を始めてからはすでに数十分もの時間が経っている。

そろそろ集中力も切れてきて、テーブルの下に置いてある携帯の存在が気になった。手に取って本体の横にあるボタンを押せば、見慣れたホーム画面が浮かんだ。

私はほんの少しそれを眺めてから、画面の中心に配置してある『連絡先』に触れた。連絡先を交換している人はそう多くなく、『芹沢 瞬』の3文字はすぐに見つかった。

ここを開いて電話のマークに触れれば、この携帯は芹沢くんの携帯を呼び出す。なにかを話したい気はするけど、わざわざ電話で話すようなことはない。

実際 今日1日の出来事を思い返してみても、特別 人に話したくなるようなことは起こっていない。


諦めてホーム画面に戻り画面を切ると、携帯をテーブルの下に置いて宿題を眺めた。切れた集中力のせいか、問題文がなにを言いたいのかもわからなくなっていた。深いため息が漏れる。