退屈な始業式を終えた、まだ夏休み気分の残る9月の2日目。こちらは夏休み気分が抜けないというのに、学校側はすでに勉強モードばりばり。
自分と学校との温度差を感じながらもなんとか乗り越えた、勉強で埋め尽くされた半日もの時間。
1日の中で暑さがピークに達する昼休み。少し開けられた窓から爽やかとは言えない風の入る暑苦しい廊下を歩き、階段へ向かう。
教室は冷房が効いていて涼しいけど、この時間――昼休みは、学校で過ごす1日の中で唯一楽しみにしている時間だ。散歩をさぼるわけにはいかない。
授業はさぼるけど散歩はさぼらない、それが私だ。
階段を下りてからもしばらく廊下を歩いて辿り着いた、掲示物で賑わう壁の前。夏休みに入る前、芹沢くんに会った場所。
今日のここは、薄暗いことは薄暗いけど、外の暑さのせいか決して涼しくはなかった。