今日もあの話を聞くのかな、と思うと気が向かず、返信の内容を編集し、体調が悪いという内容の文章を送った。

いい加減怒らせちゃったかなと思っていた私に届いたのは、『ウケる、夏風邪とか。長引かせないでよ?』というばかにしつつも優しい、綾美らしい言葉だった。

ピュアすぎる綾美に心を痛めながら、『本当にごめん。すぐ治す』と返した。

すると綾美は、『ほんとだよ。 お大事に』というハートマーク付きの優しい言葉でさらに私の良心を痛めた。本当に申し訳ない。

なぜあの話がここまで嫌なのかはわからない。綾美はここまでいい人なんだし、ただ中学の頃の話をしたいという思いであの話をしているんだろう。

自分の性格の悪さを感じ、頭を激しく左右に振った。

勢いよく息を吐いて視線を移した部屋のほぼ中心にある正方形のテーブルの上には、昨日広げたままの宿題がある。

そこにある、社会を除いた全てのノートが新品同様であることを思い出し、まずは社会だけでも終わらせようとテーブルの前に座った。イヤホンを耳にさし、プレーヤーの再生ボタンを押す。