宿題を始め、勢いでノートが2ページ半ほど黒くなった頃。時計の長針は半周していた。
それを確認し、どうりで飽きてきたわけだと納得する。私の集中力は、勉強に関しては続いて30分だ。
シャーペンをテーブルに放り、大の字に寝転んだ。イヤホンを装着したままの耳には、まだ女性アーティストの綺麗な歌声が聴こえている。今流れているのがバラード曲ということもあってか、ゆっくりと目を閉じればそのまま眠れてしまいそうな心地よさに包まれた。
このまま眠ったら何時頃に起きるのだろう、1日は終わっているんだろうな、などと考えながら、特にやりたいこともないのにテーブルの下の携帯を手繰り寄せた。
先ほど壁の時計で確認した時間をもう一度 携帯でも確認し、携帯を持った右手をお腹の上に置いてため息に似た息を吐いた。
12時半過ぎ。今日はこれからなにをしようか。そして、明日はどうしようか。綾美はきっと、明日もメールをくれる。
行ったらまた2人の話を聞かされるのかな、と思いかけたとき、可哀想なほどにお腹が鳴った。そういえば、今日はまだなにも食べていなかった。
なにも食べずに30分も勉強をすればお腹だって泣く。
再び悲鳴を上げたお腹をさすり、音楽を止めてイヤホンをはずすと、私はすぐに部屋を出た。



