想い舞う頃〜最初で最後の恋〜


時々眠りそうになりながら天井を眺めていると、階段の下からお母さんに呼ばれ、夕食を食べた。そのあとすぐに入浴も済ませ、再び部屋に戻ってきた。

ベッドにもぐってから眠りにつくまでに時間は要らず、窓から入る日光で少し前に目を覚ました。昼間の明るさに目が慣れた頃、携帯で確認した時間は昼前。


夏休みが始まって約1週間。

午前と午後の中間に目を覚ますことには慣れているけど、やはり少しがっかりする。


日課になりつつある流れでメールボックスを確認した。綾美からのメールはまだなかった。

でもそろそろくるのかなと複雑な気持ちになる。

結局、昨日も綾美と宿題をやることはなかった。綾美や芹沢くんたちの中学時代の話で1日を過ごし、解散となった。

今日もあんな話を聞くのかと思うと、無意識にため息が出た。


しばらくして、少し憂鬱な私の気分とはまるで違う、キラキラしたファンタジーの世界をイメージさせるような、明るい音楽を携帯が鳴らした。受信したメールは、やはり綾美からのお誘いメールだった。