百「───あ、」



落書きを見ていると、百合亜が立ち上がった。



こちらへ向かって来る、帰った筈のアンソニー。



ア「コレ、アゲマス」



俺は立ち上がり、百合亜の手のひらに置かれたモノを見た。



──────指輪─────。



裏門を目指して去って行くアンソニーに怒りが湧き、俺は百合亜の持つ指輪を適当に投げ、飛び蹴りを喰らわせた。



太「ぶざけんな────っ!!」



ーードカッッ



見事に決まった飛び蹴りで、アンソニーは地面に膝を付いて転ける。



気絶したかと思った。



ア「…………ハハッ」



けどこれは、俺にとっての、史上最強の戦いの幕開けだった。