それから誰がどうやって救急車を呼んだのか、
太一がどうやって運ばれたのか、

何も覚えていない。



ただ言えるのは、気付いた時に、私は病院の手術室の待合室にいた。



隣には啓太たちがいた。



スクールバックの手持ち部分をキツくキツく握る。



…お願い、助かって…。



こんなピンチに直面したからこそ、太一が私の傍にいてくれた事を改めて感じた。



太一が誰よりも自分に必要なんだと感じた。