「そのお誘いはすっごく嬉しいんだけど……それは遠慮しておく……かな」


「ええっ、なんでだよ!!つか、やっぱり泪体調が……」


「大丈夫だから!ただ……また体調を崩したらみんなに迷惑かけちゃうし、保健室にいれはいつ倒れても平気じゃん?」




これは、本当のことだよね。

あたしの場合、いつ眠ってもここにいれば安心だ。

もし保健室に誰かが入ってきても、体調が悪くて眠ってるんだろって、思われるだろうし。



「それはそうだけど……」


「はーい、この話はこれで終わりね!それより八雲、初恋マカロンがね、今度映画化するんだよ」




あたしは話をそらすために、前に貸した大好きなマンガの話をする。

ちょっと、無理くりだったかな?


「お、おう?あー、そういえばCMやってたな。あれ、有名なアイドル出てね?」


「そうそう!ヒロインがそのアイドルなの!ヒーローは今ドラマに結構でてる人で……」


どうやら、成功したみたい。

それっきり、八雲は追求してくることは無かった。

あたしは嘘を隠すように必死に八雲に話を振り続けた。

どうか、この嘘がバレてしまいませんようにと願いながら。