「う、うん……ごめんね」


ごめんね、嘘をついて。

本当は何もかも話してしまいたい。

その方が楽だって分かってるけど……。


「なんで、ごめんね?言いたくないのは心配かけたくなかったからだろ?」


「…………」


ごめん、そうじゃなくて……。

君に嫌われたくなくて、あたしは嘘をついたんだ。



「それよりさ、泪。今、体調良いなら、クラスに来いよ」

「えっ……」

「俺、泪と少しでも一緒にいたいんだよ」

「八雲……」



あたしも一緒にいたい。

八雲の願いは、なんでも叶えてあげたいって思う。

だけど……あたしは、他の女の子とは違う。

それに、中学の時みたいに授業中に眠って、揺すっても起きなくて……。


『怠け者』『体力が無い』などと罵られる。


「あんな思いは、もうしたくない……」

「泪、どうかしたか?」


嫌な過去を思い出していると、八雲があたしの顔をのぞきこんできた。


その顔を見て、やっぱり八雲を失いたくないなぁって実感する。