「で、何があったわけ?」
「実はさ……」
俺は、泪を好きになった経緯を話すことにする。
そうだな、しいていうなら電撃が走るみたいに、気づいた恋だった。
待ち合わせ場所に来なかった泪が心配でたまらなかった一日。
どうやらあいつは、学校すら休んでて……。
マジで体調が悪いのかって悪い考えばっか頭の中に巡って、何度も電話をかけた。
でも、泪が電話に出ることはなくて……。
泪から連絡が来たのは夕方、俺が学校から家にちょうど着いた時のこと。
理由は言わなかったけど、明らか何かあったのは確かだった。
泪の泣きそうな声に胸が締め付けられて……。
『……ありがとう、八雲あたしも……』
『あたしも、八雲に会いたい』
"会いたい"
その言葉に、なんかのタガが外れたみたいに、熱い想いが溢れてきて、気付かされたんだ。
泪のことを、いつの間にか好きになってたって。