「初めて会って話したのに、こんな好きとかすげーよな。でも……本気の恋をしたのは泪だけだから、きっとこれが俺の初恋なんだろーな」


「そっか……嬉しいっ」


繋がれた八雲の手をギュッと両手で握り返す。

好き、大好きだこの人が!!

飛び上がりそうなほど、きみが好きなんだよ八雲っ。



「すぐに会いに来れなくてごめん。俺、ちょっと捕まってて……」


「捕まる??」


「ごめん……女の子たちに」



そうだ、八雲ってばモテるんだった。

八雲があたし以外の女の子に恋してしまわないか、不安になる。

あたしは普通の女の子で、周りには美人で可愛い女の子がわんさかいるんだから。

でも、これからは両想いなんだもん、こんな風に不安になってたらダメだよね!

あたし、もっと頑張らないと……。



「でも、もう俺には泪だけだから。だから、安心しろ……つーのも難しいと思うけど、アンタしかいない」



焦りながら早口になる八雲にクスッと笑う。


八雲、そんな必死な顔しなくても……。

でも、それだけ八雲が本気なんだって分かって嬉しい。