「なぁ、泪は?」


「あっ……」


あたしは、あたしの気持ちも決まってる。

ずっと、君に会えたら伝えようと思ってたたった一つの想い。


「あのね、八雲……」


あぁ、ドキドキして緊張する。

でも、知って欲しい……あたしの心。


「お、おう……」


あれ、八雲も緊張してる……??

声が震えてる、どこか緊張ぎみの八雲に、あたしはフッと体から力が抜けた。


たぶん、八雲もあたしと同じなんだって、ホッとしたからかもしれない。



「まともに会うのは今日が初めてなのに、こんなにも八雲のことが好きなの。これって……恋だよね」


「なっ……」



目を見開いて、赤い顔で口をパクパクさせる様はまるで金魚だ。

八雲金魚みたいー!

なんて、笑い飛ばしたいくらいに今、恥ずかしいんだけど、本気だって伝えたいから、冗談は後にする。


「こんな恋をしたのは初めて。ううん、恋自体が初めてのあたしは、八雲が初恋なんだよ」


「やべーな、嬉しすぎて死ぬわ俺」


「あたしは……恥ずかしすぎて死にそう。……八雲のことが、好きです」



あの日、八雲と出会えたのは運命だって思うほどに。

あたしはこの恋が偶然とは思えなかった