「あんまり思い詰めるなよ?20才、30才で自然治癒する可能性だって高いんだろう?」


そう、《反復性過眠症》は20〜30才で自然治癒する可能性が高いらしい。

だけど、それも確実じゃない。



「そうだけど……それだと遅いっていうか……」


今が、大事なんだけどなぁ……。

もしこれで、治らなかったらあたしは……どうなっちゃうんだろう。


目覚める度に、あたしは無駄にした時間、日にちの数だけ怖くなる。

次はいつ、目が覚めるんだろうって。

もちろん、こんな病気マイナーだし、周りから『怠け者』、『サボり』、『体力が無い』だの理解も無かった。


「はぁ……」


この先、あたしの未来に希望なんてあるのかな。


そんな不安にかられながら、あたしは窓の外の景色を、ぼんやりと眺めるのだった。