『やっぱり、無理そうか?』


でも……。

この残念そうな声を聞いたら、やっぱり八雲に会いたい気持ちが勝るんだ。


「クラスは……ちょっと。だ、だけど、朝……朝、保健室に来てくれないかな?」


朝なら、比較的起きていられた。

それに、保健室なら人目もないし、八雲と思いっきり話せると思う。

あたし、八雲に会うために頑張るから、だから八雲もあたしに答えて、お願いっ。



『保健室?保健室でなら、会ってくれんの?』


「う、うん……ダメ……かな?」


『何言ってんだよ、良いに決まってんだろ。つか、絶対に約束だかんな!!』


「うん、約束!!」


何が何でも約束を果たすよ。

八雲、きみに会うために、必ず。


『明日楽しみにしてっから、んじゃ、また明日な』

「うん、あたしも楽しみにしてる!おやすみなさい」

『おやすみ、泪』


八雲に会えるワクワクを胸に、いつもとは違ってちゃんと『おやすみ』をして切れた電話。


明日は絶対に八雲に会うんだ。


そう決心したあたしは、携帯のアラーム音を最大にして、一分起きにスヌーズするようにする。


それとは別に、目覚まし時計を2つ追加でセットして、眠りについた。