「え、じゃあどういう繋がりなの?神崎さん、少なくともこの学年に上がってからうちのクラスに来たことないよね?」


「あー、そうなのか?俺、神崎のこと知ったの携帯取り違えた時だから、よく知らねーんだよなぁ」



机に肘をついて、泪から借りた……いや、押し付けられた少女漫画を見つめる。


あいつ、ちゃんとゲーム取ったかな……。

つか、なんでクラス来ねーんだよ。

俺より先に雪人に会うとか、なんかムカつく。



「あのさ、そもそもどうして携帯取り違えることになったの?」



あ、雪人に話してなかったんだっけ、俺。

携帯取り違えた原因なんて……。


「保健室に弥生と行ったら、アイツとぶつかったんだよ。そん時に2人して携帯落として、そうなった」


「相変わらず女癖悪いな……ほどほどにしないと、痛い目見るよ」


「うっせ、余計なお世話だっての!」



そういう雪人はガード固いよなぁ。

俺は来るもの拒まず、雪人は常に、王子様スタイルで『俺の恋人は読書だから』の一点張り。


女子の間では、たった1人になれないなら、いっそみんなで雪人を鑑賞する会……みたいな。



変な宗教じみたファンもいるくらいだ。