「本当に、やっかいすぎて……」
リーマスっていう薬でなんとか予防してるけど、完全じゃない。
強い眠気が持続する時期を超えて、元の睡眠リズムに戻ったと思ったら、数ヶ月くらいでまたこの強い眠気の周期がやってくる。
学校の授業なんて、聞けたもんじゃないし、先生には説明して、保健室での特別自習が許されてるんだけど……。
「自習になっても、起きてられないんだもんなぁ……」
これ、学校に来てる意味あるの?
先生も私一人に人員を裂けないんだろう。
自習はほぼ一人か、保健室の保住(ほすみ)先生の2人きりがいいとこだ。
「今も保住先生いないし、挨拶してくるか……」
タラタラと荷物をまとめて、スクールバッグを肩にかける。
スマートフォンをスカートのポケットに突っ込むと、私は保健室を出ようと扉に手をかけた。
その時だった。
ーーバンッ!!
自動ドアか!の勢いで目の前の扉が開くと、前から入ってきた誰かとおもいっきり衝突する。
その表紙に、スマートフォンがポケットから落ちた。
あっ、あたしのスマホっ!!
落ちていくスマートフォンに手を伸ばしながらも体は後ろへかたむいて……。