「くそー、笑いやがって……まぁ、俺も八雲の友達……だからな」
和樹……。
でも、そんな友達って言葉では足りない気がするのは俺だけか?
そうだな、幸人との関係に近い……。
そうか、和樹のことを、俺は……。
「……俺は親友だと思ってる」
言葉にしてみると、やっぱこっちの方がしっくりくる。
俺には、大切な親友が、また増えたみたいだ。
それが、こんなにも俺に力をくれる。
「え……」
すると、和樹にキョトンとされた。
おい、なに『え、そうなの?』的な顔してんだよ。
なんだ、この俺と和樹との温度差は。
今一瞬にして、南国から北国に移住したみてーに凍ったぞ、空気が。
「え、親友だろ、和樹」
「……え?」
「え……ってなんだよ和樹!!寂しくなんだろーが!!」
和樹の腕を叩くと、なぜか照れくさそうに俺に背を向けられてしまった。
……照れくさそうに?
今の数分で、和樹に、何が起きた。
「おい、和樹?」
「うっせ、嬉しいんだから仕方ないだろ!!その……八雲の親友になれて……さ」
「……は??」
モジモジしながら、チラチラと俺を見てくる和樹。
感動のシーン、のはずなのに。
急に、泪から借りた『初恋マカロン』の少女漫画が頭にほわわわーんと、浮かんできた。
あ、やべぇ……鳥肌が……。


