「話すことが怖いのかなとも思った。でも……あたしたちは、泪の何を知っても嫌いにならないわよ」
「夕美……」
まっすぐに、真剣な表情でそう言ってくれる夕美。
その言葉が本心だって、ちゃんと分かった。
「アンタは、環奈のこと守ってくれたし。それに……ずっと恩返ししたいと思ってたし!」
「うん……」
「だから、環奈たちを頼りなよね」
「環奈……」
ふたりに、いつまでも黙ったままでいいの?
知られることは怖い、だけど……。
こんなにもあたしと向き合おうととしてくれるふたりに、隠し事をしてるのは……嫌だ。
「八雲も……そうだったな……」
あたしがどんなに遠ざけても、変わらず優しかった。
全てを知っても、あたしを変な目で見るどころか、むしろ守ろうとしてくれて……。
信じてみても、いいのかもしれない。


