「お母さんって……あたし、そんな老けてないわよ!」
「夕美は高校生とは思えないくらい落ち着いちゃってるしねぇ。今からこんなんで、あとが心配」
「アンタは、いい加減ぶりっ子をやめなさいよ」
「無理ーっ、これが標準スタイルなんだもーんっ」
環奈は、自分の気持ちをまっすぐに伝えられて、一度懐に入れた人には、とことん優しい。
そんな環奈を尊敬してるんだ、あたし。
分かりずらいところがたまに傷だけど、あたしは何度も助けられたから、ちゃんと分かってる。
「ねぇ泪……こんなこと聞いてもいいのか分からないけど、泪はその……」
「単刀直入に聞くけど、泪は病気なの?」
言いよどんだ夕美にズバッと聞いてくる環奈。
いっそ、その方が清々しいな……なんて。
二人の前で倒れるみたいに寝ちゃったし、不思議に思うのも無理無いよね。


