「寂しい……なんて、いつまで言ってるんだか」
馴れない……この静けさに。
この保健室の外は、賑やかで人の声に溢れてる。
なのに、あたしはどうして今……。
「一人なんだろう……っ」
寂しくて、ジワリと目に涙が滲んだ。
一人なんだから、我慢せずにむせび泣けばいいのに……。
それが出来ないのは、認めたくないから。
このまま、ずっと一人なんだってことを。
「だめだ、だめだ、一人でいると余計なことばっか考えてる!早くお弁当食べて寝ちゃおう!」
寝て、何もかも考えなきゃいい。
そうすれば、締め付けるこの胸の痛みも、感じずに済むだろうから。
そう思った私は、ご飯をかきこんでお弁当を平らげると、保健室のベッドに横になった。
すぐ寝たらブタになるやら、牛になるやら……。
ここなら誰が来たとしてもカーテンがあるし、何も文句は言われないもんね。
そんな屁理屈を並べて、あたしはギュッと現実を否定するように、強く目を閉じた。


