「俺の友達が、保健室を通りかかった時に聞いてて……。それを、後から俺も聞いたっつーか……過眠症のこと」
「そう……じゃあ知っちゃったのね、神崎の反復性過眠症のこと」
……えっ?
今、過眠症って、言った??
八雲の口から出るはずのない単語に、胸がバクバク鳴り出す。
「過眠症、俺ネットに調べたりして……。ブログとか見て、なかなか理解されない病気だって書いてあってさ。だから泪も……俺には話さなかったのかなって」
「そうだね、神崎の過眠症はとくに、数ヶ月周期で強い眠気がきて、何日も眠ってしまう……。そのせいで中学ではイジメられたりなんかしたみたいでね……」
前に、保住先生には話したことがある。
病気のことと、中学であったこと。
「泪が……そんな過去を……」
「でも、ずっと寂しかったんだと思う。あの子、よく寂しそうな顔をしてたからね」
寂しかった……代わり映えのしない毎日。
ずっと一人ぼっちで、ずっと誰かの温もりを求めてた。


