今度はどれくらい眠ってしまったんだろう。
そんな不安に、あたしはゆっくりと瞼を持ち上げた。
「神崎のこと……知ってるんだね、難波は」
保住先生の声だ。
見慣れた硬いベッドの感触、そのベッドを囲うピンク色のカーテン。
それで、あたしが保健室にいるんだと気づいた。
「保住先生は、知ってたんっすか」
「そりゃあね、神崎はずっとここで課題やってたし、養護教諭だしね」
そういえばあたし、八雲に抱えられて保健室に来たんだっけ。
あのまま、八雲の腕の中で眠っちゃったんだ……。
それにしても、ふたりしてあたしの話をしてる?
一体、何の話を……。
ベッドに横になったまま、あたしはふたりの会話に耳を傾ける。
カーテンが閉まってるからか、ふたりはあたしが起きたことに気づいてないみたいだった。


