おはよう、きみが好きです



***


『泪……なら、勝手に守ることにする』

そう八雲から伝えられた日から1ヶ月が経った。

7月、ジメジメさに加えて日差しの暑さが目立つようになった夏。

あたしの過眠症は、最悪なことに傾眠期に入ろうとしていた。


朝は起きれたものの、頭がボーッとしてる。

眠気が強くて、今にも寝てしまいそう……。

朝登校してくると、もつれる足で教室ではなく保健室に向かった。


「あぁ……だめだ、今すぐ倒れそ……う」



ぐわんぐわん揺れてるみたい。

視界が、ぶれて……どうしよう、倒れるっ。


体が前に傾きかけた時。



「大丈夫か、泪!!」


強く、誰かに腕を引かれて、なんとか持ちこたえることが出来た。

ゆるゆると、顔を持ち上げれば、そこには八雲の心配そうな顔がある。


「やく、も……」


「泪、保健室に行くところなんだろ、送る」



八雲はそう言って、あたしの膝の裏に手を回すと、体を横抱きにした。



「あっ……だ、大丈夫、歩け……」


「歩けねーだろ、こんなフラフラじゃ」



嘘、あたしってば、お姫様抱っこ……されてる。

八雲は、あれから別れる前と変わらぬ笑顔で助けてくれる。

例えば、ふらついて階段から落ちそうになった時、ウトウトしてノートを取れなかった時とか、八雲が代わりに取ってくれてた。