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『泪……なら、勝手に守ることにする』
そう八雲から伝えられた日から1ヶ月が経った。
7月、ジメジメさに加えて日差しの暑さが目立つようになった夏。
あたしの過眠症は、最悪なことに傾眠期に入ろうとしていた。
朝は起きれたものの、頭がボーッとしてる。
眠気が強くて、今にも寝てしまいそう……。
朝登校してくると、もつれる足で教室ではなく保健室に向かった。
「あぁ……だめだ、今すぐ倒れそ……う」
ぐわんぐわん揺れてるみたい。
視界が、ぶれて……どうしよう、倒れるっ。
体が前に傾きかけた時。
「大丈夫か、泪!!」
強く、誰かに腕を引かれて、なんとか持ちこたえることが出来た。
ゆるゆると、顔を持ち上げれば、そこには八雲の心配そうな顔がある。
「やく、も……」
「泪、保健室に行くところなんだろ、送る」
八雲はそう言って、あたしの膝の裏に手を回すと、体を横抱きにした。
「あっ……だ、大丈夫、歩け……」
「歩けねーだろ、こんなフラフラじゃ」
嘘、あたしってば、お姫様抱っこ……されてる。
八雲は、あれから別れる前と変わらぬ笑顔で助けてくれる。
例えば、ふらついて階段から落ちそうになった時、ウトウトしてノートを取れなかった時とか、八雲が代わりに取ってくれてた。


