昼休みになると、あたしは両手を上げて伸びをした。
ひたすらに自習プリントを解き続けるのは、授業をボーッと受けてるよりキツイ。
「あー、眠くなってきたなぁ……」
でも、ここで寝ると次、いつ起きられるやら……。
今は、ちょうど強い眠気が続く『傾眠期』から、今までの睡眠リズムに戻る『回復期』の間。
ぐっすりまでとはいかないけど、また4、5時間寝ちゃうこともありえるんだ。
「神崎、昼休みなんだ、ご飯食べて休みな」
「はぁーい、そうしま……ふぁっ」
だめだ、欠伸が止まらない……。
でも、お腹も空いたし……。
ご飯食べたらちょっとだけ寝ちゃおう。
「神崎、あたし職員室戻るから、また昼休み終わったら戻るよ」
「行ってらっしゃい、保住先生」
「おう、んじゃ後でな」
なんとも男らしいセリフで保健室を出ていく保住先生を見送り、あたしは1人でお弁当を食べることにした。
「あーあ、こんなはずじゃなかったのになぁ〜」
お弁当の卵焼きを箸でつつきながら、愚痴を呟く。
だって、高校生活ってさ。
こういう昼休みに友達とご飯を食べて、最近流行りの有名人とか、昨日見たテレビの話とか、そんな話題で楽しく過ごすものなんじゃないの?


