｢なんか、見てると助けてあげたいんだよね｣
｢いくら幸人でも、譲らねーからな｣
｢でも、八雲を見ててもそうしたくなるんだよね｣
｢……ん？｣
あれ、今のどういう意味だ。
親友として、俺のことを助けたいって思ってるってことか？
｢八雲もなかなか可愛いからね｣
｢……え、おい待て俺にそんな趣味ねーぞ？｣
ヤバイ、鳥肌とまんねぇ。
何言い出しちゃってんだ、幸人。
｢イジリがいあるし、バカ正直に素直なとこあるしね｣
｢なんだよ、そーいう意味か。つか、バカ言うな！｣
黒い笑みが憎らしい。
ただ、気づけば悩んでたのが嘘みたいにいつもの調子に戻ってきてる。
俺、今ならちゃんと泪に向き合えそうな気がするわ。
｢幸人、俺頑張ってみるわ｣
｢うん、やれるだけやってみれば？｣
胸を締め付けるのは取り返しのつかない後悔。
だけど、泪のことだけは諦めたくねーから。
だから、ちゃんと説明して、和解して。
泪の抱えてた秘密も全部含めてアンタを守れるようになりたい。
だから、待っててくれよな……泪。
