「もう、せっかちなんだからぁ」


そう言った橋本が距離を詰めてくる。

腕に触れる胸も、キツイ香水の匂いも不快だった。

だけど、アイツの為だ、もう少し我慢しねーと。



「あの子、過眠症?らしいよ」

「過眠症?」

「どういう病気か分からないけど、保健室で課題やってたのも、それが理由かもね」



過眠症って、なんだ。

寝ちゃう病気ってことか??

そういえば、泪よく寝てたよな……。


「気になるなら、調べてみれば?まぁ、あたしには関係無いけどねぇ〜」

「マジかよ……」


でもアイツ、体調は良いって言ってた。

死ぬような病気じゃないよな。

でも、どうしてそれを俺に隠してたんだ?

言ってくれれば、何か助けてやれたかもしれないのに。


「それじゃあね、八雲」

「アンタ、結局何がしたかったんだよ」


あんだけかき乱しといて、あっさり帰るとか……。

はた迷惑なヤツだな。