「おはようございまーす」
「あら、おはよう神崎」
保健室に入ると、椅子に深々と腰掛けて足を組んだ保住先生が、あたしに軽く手を上げて迎え入れてくれた。
「おはようです、保住先生〜」
「なーに朝から辛気臭い顔してんのよ?」
保住先生はフレンドリーで、あたしの病気のことを知ってくれているからか、話しやすい。
色々隠す必要もないし、頼れるお姉さんみたいな感じだ。
「ちょっと、色々ありまして……」
「年寄り臭いわねぇ」
「オバサン言わないで!!」
今、過敏なんだからね!
難波くんに昨日爆笑されたことを思い出す。
イチャコラ……そんなに古いかなぁ。
「まぁ、今日も元気に勉強頑張んな。そんで、疲れたら、ちょっとくらい休んでも多めに見てあげる」
「ありがとう、保住先生」
あたしの味方は、保住先生だけだよ。
一人で寂しいと……感じる時もあるけど、こうして先生が話し相手になってくれるから嬉しい。
保住先生に感謝しながら、あたしは勉強道具を取り出して、課題に取りかかった。