「なんでっ、謝ったりするのっ……」
「え……」
「無理やりされたとか、なんでも理由あるじゃん!そう言ってくれれば、あたしは八雲のその言葉を信じたのに!!」
それが嘘でもいいからっ。
離れていかない理由をあたしも作ることが出来たのに。
「ねぇ神崎さん、あの日保健室であたしたちが何してたか聞きたい?」
「っ……聞きたくなんかっ」
ズキズキと、橋本さんの言葉が胸に刺さる。
あたしと付き合う前のことだけど、そういう関係だったんだって思うと……。
さっきのキスだって……もしかしたら橋本さんと八雲がずっとそういう関係を続けてたのかなって。
あたしとも遊びだったのかなって、思ってしまう。
「いい加減やめろ橋本!!」
「えぇ〜っ、あたしたちの関係がまだ続いてるってこと、彼女さんに秘密にしてるの可哀想じゃん」
……八雲が、橋本さんと続いてる?
嘘、そんなの……でも、予想していた通りの言葉を浴びせられて、頭が真っ白になる。
だって八雲はあたしだけを好きだって言ってくれたのに。


