「あたしの方が、八雲を満足させてあげられると思うな」
上目遣いで、不敵に笑う橋本さん。
それを見つめ返す八雲。
嘘……嘘だよ、やめて。
どうしてふたりがキスしてるの?
無理やりされてんだよね?
そうだとしても、どうして抵抗しなかったの?
「ちょっ……八雲のバカ!!」
すると、あたしの手を引いていた環奈が叫んだ。
「え、田崎……と、泪!?」
「あらやだ、彼女さんも一緒だったんだぁ〜」
焦っている八雲と楽しそうに笑う橋本さんの視線が同時にあたしへと向けられた。
ーードクンッ。
どうして、焦ってるの八雲。
やましい事がないなら、弁解してよ。
堂々としててよ……。
不安で、おかしくなりそうだからっ。


