「どうしよう環奈、今更不安になってきた……」

「もぉー、好きならちゃんと彼氏の周辺の情報収集は徹底しないとでしょっ!」

「はい……その通りです」



どうしよう、八雲が狙われてるっ。

橋本さんはすごく美人でナイスバディだし、好きだって言われたら八雲だって満更じゃないはず。

って……ううん、八雲のこと信じるって決めたんだから。

弱気になんてなっちゃダメだよね。


そう自分に言い聞かせて、廊下の角を曲がった時だった。



「八雲、絶対にあたしと付き合ったほうがメリットあるのに……ほら」


初めに聞こえたのは橋本さんの声。

そして重なるふたりのシルエット。


「えっ……」


八雲と、橋本さんがキスしてる……??

明らかに触れてるふたりの唇に、あたしはその場に立ち尽くした。