「本当に、無事で良かったよ!」
「アンタ……本当にバカ!!早く、水かけるよ!」
流しから水を汲んできた環奈ちゃんが、怒ったようにあたしの腕に水をかける。
ズキッと痛みが襲う。
「っう……いたたっ……」
「泪、大丈夫か!?」
すると、聞こえるはずのない八雲の声が聞こえた。
痛みに俯いていたあたしは反射的に顔を上げる。
「難波くんのこと、呼んできたわよ」
「三枝さん……ありがとう」
三枝さんが八雲のこと呼んできてくれたんだ。
そばにやってきた八雲が、あたしの前にしゃがみ込んで腕を掴んだ。
「赤くなってんじゃんかよ!!誰だ、これやったの……」
「環奈のこと、神崎さんが庇ったの……ごめん、八雲」
すると、水をかけてくれた環奈ちゃんが頭を下げた。
環奈ちゃん……。
でも、揉めたのが環奈ちゃんのせいでもあるのだとしても、ここまでするなんて……。
「あ、あたし悪くないから!!神崎さんが勝手に飛び出してきたんだから!!」
騒ぎが大きくなると、湯をかけた女子が身勝手にそう叫んだ。
それを、八雲が怖い顔で見上げる。
「何があったとしても、湯ぶっかけるヤツがあるかよ。次、泪のこと傷つけてみろ……絶対に許さねーから」
八雲……すごく怒ってる。
でも、それほど大切にされてたことが嬉しい。
だから、あたしは八雲の手を握った。


