「はぁー?あぁ、みんな環奈の事が羨ましいのぉ?」
「田崎さん、なに火に油を注いでんのよ」
斜め上の返答をする環奈ちゃんに、それを止める三枝さん。
そんなふたりを見つめて思う。
環奈ちゃんは、強い人だ。
あたしも、過眠症のことでみんなから冷たい目で見られた事があった。
だけど、こんなふうに強気でなんかいられなかったもん。
「それがうざいって言ってんの」
「えぇー、環奈よりあんた達の方がうざいと思うなぁ〜っ」
「っ……調子乗んなよ!!」
喧嘩を買った環奈めがけて、声を荒らげた女子が鍋の湯をかけようとした。
「きゃっ……」
「環奈ちゃん!!」
ほとんど、無意識。
反射的に環奈ちゃんの前に出ていた。
なんとなく、たぶんだけど……。
あの時の孤独なあたしと、環奈は似ていたからかもしれない。
だから、助けてあげたいと……思ったんだ。


