すると、八雲はズカズカ大股であたしの元へやって来ると、紫藤くんの手から引き剥がすようにして抱き寄せた。
「何勝手に触ってんだよ」
「泪ちゃんって、すごく魅力的だから……ぼやっとしてると、誰かさんに取られちゃうよ」
不敵に笑う紫藤くんが、チラッと中野くんを見た気がした。
すると、中野くんはハッとしたような顔で俯く。
中野くん、どうしたんだろう。
っていうか、あたしと八雲のことで空気悪くしたくないし、何か言わなきゃっ。
「あ、あの……」
「アンタ、名前勝手に呼ばせんなよな……」
「え……??」
顔を上げれば、八雲の切なげな瞳があたしを見つめてる。
それに、キュッと胸が締め付けられた。
「でも、八雲だって……」
八雲だって、呼ばせてるくせに。
それなのに、あたしはダメで八雲はいいの?
もうやだ、イライラしたり、どんどん可愛くなくなる。


