おはよう、きみが好きです




***

キャンプ場は、森に囲まれ、少し歩くと湖がある自然豊かな場所にあった。

辿り着いて荷物を置くと、班ごとのウォーク・ラリーが始まった。

目的地はこの森を進んだ場所にある丘。



「景色、綺麗だろうね、この天気なら」



隣を歩く紫藤くんの言葉に、あたしは空を見上げる。


本当に、青くて澄み渡る空だなぁ。

丘から見える景色はさぞ綺麗だろう。

なのに、想像すればワクワクするはずの胸は、なぜか沈んでた。



「はぁ……」

「なんか、落ち込んでるね神崎さん」

「えっと……分かる……かな?」


苦笑いしたあたしに、紫藤くんは頷いた。

というか、ウォーク・ラリーが始まっても八雲とは一定の距離がある。



「八雲、環奈ぁ、足くじきそう!!」

「そんなヒールみたいので来るからだろ」


その隣は、もちろん環奈ちゃんがキープ。

今回の校外学習はみんな私服で、確かに環奈ちゃんの靴はキャンプは相応しくないヒールだった。