「……そうかよ、なら勝手にしろ」
「あっ……」
自分で言ったのに……。
『大嫌い』って言葉に、胸が痛い。
大嫌いって言った時の八雲の傷ついたような顔が目に焼き付いて、震える声が耳に残って忘れられない。
後戻りできない、言葉の重さを知った気がした。
何を言っていいのか分からず、唇を噛む。
ごめんなさい、傷つけて。
だけどあたし、すごく焦ってたんだ。
たくさんの物を持ってる環奈ちゃんと、欠陥品の平凡なあたし。
八雲のこと、取られちゃうんじゃないかって……。
「…………」
素直にそう、伝えればよかったのかな。
でも、伝えて重いって言われるのも嫌。
八雲にとってあたしが特別でいられるためには、きっとたくさんの努力が必要だから……。
紡げなかった言葉に、そっと視線を窓へと向けた。
そして、どうすれば良かったんだろうなんて……考えても考えても見つからない答えに泣きそうになった。


