「おい幸人ー、親友でも泪に色目つかったら許さねーぞ」
「え、親友!?」
ジト目の八雲の口から、とんでもない言葉が放たれた。
八雲の親友って……こんな好青年が!?
ーーパチンッ!
「いたっ!!」
驚いていると、八雲にデコピンされた。
「泪〜、今俺に失礼なこと考えてたろ?」
「へっ、ど、どうでしょう?」
視線を右へ左へふらふらさせる。
「アンタは、嘘が下手なんだよ!!」
また、パチンッと額にデコピンが飛んできた。
「い、いたいよーっ!」
なんなの、もー!!
だって八雲みたいなチャラ男と好青年の紫藤くんの組み合わせが、アンバランスなんだもん。
「紫藤くん、よく八雲の親友になったね」
「不本意ながらね」
「……え?」
今、不本意ながらって言わなかった?
紫藤くんなら、『それでも八雲のことは大切な親友だよ』とか、そーいう返答を予想してた。
いや、あたしが聞いたのは幻聴?


