「いや、巨乳でなかろーと、好きな子がタイプなんだよ。な、紫藤?」
「まぁ、そうだね」
そんなことを考えてると、勝手に話が進んでいた。
好きな子がタイプって……八雲ってば、また恥ずかしいことを。
「それより、次のホームルームは、校外学習の班決めだね」
「校外学習?」
さらりと話を変えてくれた紫藤くん。
それに感謝しつつ、聞き返した。
「2泊3日のキャンプに行くんだってさ」
隣の席の中野くんがそう教えてくれた。
キャンプか……楽しみ、だけどあたし……大丈夫かな。
「…………」
傾眠期は過ぎたし、あと数ヶ月は睡眠リズムも普通に戻るはず。
でも、もし眠っちゃったら……?
もし、起きられずにみんなに秘密を知られてしまったらって考えると、怖くなる。
「泪、どうかしたのか?」
心配そうにあたしの顔をのぞき込む八雲の顔を見つめ返した。
なにより、八雲に知られたくないよ……。
あたしの、病気のこと。


