《side泪》


翌日、八雲と一緒に登校してきたあたしは、真っ先に職員室へとやってきていた。


「高橋先生、今日からあたし、クラスで授業を受けたいんですが……」


「……本当か!!」


担任の高橋先生へ報告すると、先生は嬉しそうに顔をほころばせた。


「ただ、また……その、時期が来たら……」


また、眠ってしまった時は、保健室で過ごすことになると思う。

そう言おうとして、そばに八雲がいることを思い出したあたしは、言葉を濁した。


「泪??」

「あぁ、その時は今まで通りに……な?」


不思議そうな八雲を置いてきぼりに、高橋先生と話を進める。

これを、八雲に知られるわけにはいかないから……ごめんね、八雲。



「はい、わがまま言ってすみません……」

「いや、神崎にもクラスのみんなと行事に参加したり、大丈夫な時は授業にも出て欲しいと思ってたんだ」

「高橋先生……」



高橋先生が、そこまで心配してくれていたのが胸に染みた。


いつも明るく、生徒思いの高橋先生は生徒達からも人気が高く、あたしも好きな先生だった。