--Kota:Side--


電車が一時止まってしまって待ち合わせの時間に遅れてしまった時から僕の今日の予定はとっくに狂っていた。



電車を降り、走って公園まで行くと璃乃ちゃんは誰かと話していた。


あれは…宮野くん。松下くんと…いつも一緒にいる人。


僕が強引に、と言ってもいい。

強引に璃乃ちゃんから引き離した…人。



僕がこんなに思いもしなかったくらい自分勝手で行動的な人間だと知った、きっかけの人。



璃乃ちゃんが松下くんをどうしても好きなのも、松下くんが璃乃ちゃんを本当は好きなのも、どっちも知っていたのに引き離した。


それを知らないという振りをして、璃乃ちゃんの隣にいた。




そんな僕に罰が当たったのかもしれない。





「あいつを…月星を救ってやってほしい…!」





そう叫ぶ宮野くんの言葉が聞こえた。


それを断る璃乃ちゃんの言葉も。

その理由が僕だということも。