「お、じゃましま…す」





璃乃を家に連れ込んでしまった。

生憎、両親は海外に行ってて家には2人しかいない。

客であるにも関わらず怪我を気にして俺の指示通り動いてくれる。


こいつは俺の手当てをするためにここに来たんだ。


そうは思っていても璃乃が俺の家にいる…その事実がこんなにも心を乱す。

俺の中の悪魔がどんどん大きく成長している。





「どうした?入れよ」





璃乃はおずおずと部屋に入ると隅に鞄を置くと





「あの、これ…」





ピアスを出した。

これは…この前家に来たミカちゃんの…だろうか。

それを受け取ると、さっと後ろの棚に置いた。


心臓がバクバクしてる。


わざとここにピアスを置き忘れたあの女への腹立たしさより、どうしようという思いが勝った。

見られたくなかった。そんな感情。