「ごめんねー今からお昼だから、また後でっ」
私達が、というかこの2人が通ろうとする両側に常に女の子が集まっていてその真ん中を歩いていく。
こいつらは駅伝か何かのランナーか!
いや、一緒にするのはランナーさん達に悪いな。
皆さんの走り、努力の結晶にいつも感動させてもらってます!これからも頑張ってください!!
「…はぁ…」
「思ったより数倍凄いんだね…!」
ため息をつく私と、ちょっとテンション上がり気味の悠子。
まあ…最初は私も凄いとは思ってたけどさ、慣れたら苦痛だよ。
何でこんな人達の後ろを色んな視線を集めながら歩かないといけないのってなる。
「なあなあ璃乃、おいって」
屋上について早々、目の前のこいつはとにかく喋る。
「…あの」
「おっ、やっとこっち見た!」
嬉しそう…でも私には言いたいことが1つ。
「キャラ…変わりました?
それに璃乃って呼び捨てだし…」
「いや?キャラは変えてねえよ、戻しただけ」
戻す?ってことは…今までのキャラが作ってたものってこと?!
なんとしたたかな男…
「それに俺の呼び捨ては特別だぞ?レアだレア。
本気のやつにしか呼ばねえから」
熱っぽい視線を向けられてドキッとする。
顔が赤くなりそうで慌てて隣でお弁当を食べる悠子の方に体を向ける。
こ、心ここに在らず!
珍しい、あの悠子がここまで緊張してるなんて…!
「ゆ、悠子?!大丈夫!!?」
体を揺らしても我にかえらない。
さっきまでのテンションはどうしたのさー!

