「璃ーー乃っ!」
はっと私が教室のドアの方を見ると、コンビニの袋をゆらゆらと振った松下月星の姿。
「昼まだだろ?
ほら、いつものとこ行こうぜ」
彼のその"いつも"という一言に周りで騒いでいた女の子達の目の色が変わる。
た、頼むから敵は増やさないで…
厳密に言えば敵じゃないな。
あの殺意ある視線の発生源、を増やさないで欲しい…
悠子にも肩を押されて仕方なくドアの方へ足を踏み出す。
「月星、俺も食べる」
「うわ…!」
突如、あいつの隣からひょっこり現れたのは
「きゃーー!宇宙(そら)よ!!」
「2人揃うとやっぱりオーラが違うわね!!」
「私もう立ってられない…」
宮野怜央。月星の相方?的存在。
本当だ、2人が並んでるとそこだけ世界が違うみたい…
綺麗だ。そう思った。
「…」
あ、でも凄い睨まれ?てる。
宮野さん(なぜか名字呼び)も格好いい、イケメン。それは認める…けどやっぱり性格は好きになれない!
「おぉ、怜央!じゃあ怜央も一緒に食おうぜ。
璃乃もあの子連れてこいよ」
そう指差すのは悠子。
「…!?」
あ、凄い驚いてる動揺してる…笑
悠子のこんな顔、初めて見たな。

