今までは引いてたから…次からはガンガン攻めるね。
さっき耳にしたこの言葉が頭から離れなくて、何度もリピートされる。
目を閉じればあいつの顔が浮かんできて…
あいつはいつもこんな風に女の子の心を掻き乱すんだな!!
そう自分を納得させて眠りについた。
"璃乃ちゃん、璃乃ちゃん"
そんなに何度も名前を呼ばないで…
"璃乃ちゃんはいつになったら俺の方を振り向くの?"
だからそんな、掻き乱すようなこと言わないで…
"璃乃ちゃんが振り向いてくれないなら…俺はこの子と"
"ふふふ、璃乃ごめんねー?"
隣にいるのは…悠子?!!
ダメダメダメ!!騙されちゃダメだよ悠子ーーーー!!
「悠子戻ってきてー!!」
ばっと飛び起きる。
あれ…?夢かぁ…良かったー…
「悠子ぉーー」
うわぁぁと悠子に抱きつく。
「なになに、どうしたの?!」
「あはははは!!
もう璃乃、絶対そんなことあり得ないから!」
「そうだよね?!」
「だってあたしは、あんなチャラいの嫌だもん」
私はそのチャラいのに絡まれてるんですけど…
何とか助けてよ、悠子ぉ…
でも、そんなことはあり得なくて。
その日から松下月星のアピールが始まったのだった。