とりあえず印象は大事だ。


今まで恋愛したことないようなうぶな感じ。

物腰柔らかく、でもたまに強引に…

そんなんが効くタイプか?


何につけてもにこにこと微笑んで接した。


つんけんした態度で返してくるのも何だか可愛いなと思うようになった。


それから少し経って彼女は俺との壁を薄くしたような気がした。

明らかに態度が変わった。おかしいくらい。


にこっと笑う顔に隠しながら別の感情がある感じがする。

何か企んでるとか…?





「璃乃ちゃんは俺のこと好きになった?」





お昼に誘って両方が食べ終わったのを見計らって聞く。





「そ、そんなこと…言わせるんですか?」





ふふふなんて笑うけど、どこかぎこちない。


変だと思って一度逃げられたキスをせがんでみた。


案の定、彼女から動きはなかった。





「落ちたと思わせれば興味も薄れるかなって…」





まさかの一言に唖然となる。

笑いが堪えられない。


こんな子、初めてだ。

俺に気にしてもらいたくて嘘つく子はいたけど、俺からの興味をなくしたいから嘘をつくなんて…


本当に面白い。ますます興味がわくよ。


もう作ったキャラなんて演じない。

そのままの俺で君を落としに行くよ、全力で。



彼女の目がばちっと合う。

少し揺れる瞳に自分の覚悟を再度決めて、一人屋上を去る。


さあ、ここからどうやって再出発させようか。


--Runa:Side End--