結乃と付き合ってから2年が経ち、大学3年生になった今日。
僕の元には白い封筒が届けられた。
結婚式の招待状。
人生最高の幸せの瞬間。
送り主は、新郎新婦はもちろん……
「今度ね、大事な人の…いや、大事だった人の結婚式があるんだ。
一緒に行ってくれないかな?」
「うん、いいよ!
でもそれってもしかして…?」
「うん。そう」
僕が頷くと、結乃は目を輝かせる。
「璃乃さん…そうなんだ、良かったね…!
でもね、きっと璃乃さんは幸大にとって大事だった人じゃない。きっと大事な人、だよ」
「え?」
「だってそんなに嬉しそうに話すんだもの。大事以外の何物でもないでしょ?」
「そっか…」
多分、彼女は僕の人生にとって、なくてはならない存在だった。
…それでも。
「結婚式、楽しみだね?」
「うん…どうしても結乃にも来てほしいんだ」
「わかった!予定空けとくね」
今はちゃんと、心から彼女の幸せを祝福できる。
結乃と隣並んで、笑顔でお祝いできる。
僕は、過去を忘れるんではなくて過去と一緒に歩んでいくことに決めた。
それを教えてくれたのは結乃だから。
だから彼女にも、結乃のことを紹介したい。
--Kota:Side End--

