「ほら、着いた」





扉を開けると、ふぁーっと気持ちいい風が通り抜ける。





「え、でもここって…」





屋上。普通は入ってはいけない場所。

というか入るための扉がないといった方が正しいか。


全然知らないところだなーなんて思いながら着いてきたものだから、まさかここに出てくるとは…


しかも、こんな秘密の抜け道みたいなのを知ってるなんて。





「あーー璃乃ちゃん真面目そうだしなー
本当は入っちゃいけねぇ場所なんだろうけど、ここって絶対人来ないから一人になりたいときはちょうどいいんだよ」





こんな自称、女に困らない松下月星でも一人になりたいときとかあるんだ…


意外だな、結構普通…なのかな。