「『花咲きぬ』
花は咲きません…?」

「花は咲きません、だったら『花咲かぬ』
助動詞の接続言えるか?ちゃんと」

「う…」





私は古典が苦手。

というか嫌い…

どうして昔の人の言葉を学ばなければいけないんだろう?っていつも思う。





「これ覚えたら何とかなる、はず」





そう言ってさらさらとペンで書いた紙を見せてくれる。





「助動詞の接続を覚えやすく語呂合わせしたやつ。
助動詞分かんねぇと訳すのも出来ねえしな」





…本当だ、覚えやすい。





「じゃあ問題。
『花咲けり』これは?」

「えぇっ?!えっと…
書いてない…」





月星にもらった紙を隈無く探しても見当たらない。





「ははっ…
悪い、これはそこには書いてない」





まだ笑いが収まらない様子。





「『り』はさみしいって覚えるんだよ。
サ変動詞の未然形、四段動詞の已然形に接続するから」





授業でやってねえか?と心配そうに首を傾げられる。


ちゃんと聞いてます。聞いてるけど…抜けていくんです。

右から左にするーっと…抜けていっちゃうんです…!