「でも、新しい子が入ってきたってことは・・・」

「人手が必要になったので」

「それって・・・。この間の人たちを・・・」


私の悪口を言っていたあのメイドさんたち。
どんな罰が下されたのだろうと気になっていたけど・・・。
辞めさせられたんだ。



「ひな様が気にすることではありませんし。正当な処罰ですから」

「うん・・・」



気にするなっていっても、きっかけは私だし・・・。
気にはなるよね。



「・・・疲れた」



ダンスレッスンを終え、自室に戻ろうと歩いていると、中庭に人の姿を見つけた。
メイド姿の・・・、あれは、エリシアちゃん?


この城の中では、私は比較的自由だ。
自室に帰るのに、付き添いはいない。



「エリシアちゃん?」




声をかけるとピクリと肩を揺らす。
少し潤んだ瞳が私を見た。

視線が交わされると、ハッとしたように目を見開く。



「姫様!」

「ふふっ、そんなに驚かなくてもいいのに」

「す、すみません・・・」




そんなに恐縮してほしくないのにな。