その後、その視線を若いメイドさんに向けた。



「あの、そのメイドさん・・・」

「ああ、最近はいった新人のエリシアと申します。ただいま教育中でして、見苦しい場面をお見せいたしました」

「いえ、いいんです。そうじゃなくて、あの、エリシアさん」

「・・・は、はい」



怯えたように私を見るエリシアさん。
顔を見れば私なんかよりずっと若く見える。
まだ子どもみたい・・・。




「怪我は?その、破片とかで怪我はしてない?」

「え・・・?怪我?い、いえ・・・」

「そう。よかった。割れ物を扱う時は気を付けた方がいいわ。物はいつか壊れるものだけど、エリシア・・・ちゃんが怪我してしまったら大変」

「そ、そんな・・・私なんて」




もしかしたらものすごい価値のある過敏なのかもしれないけど。
ま、そんなの私には知ったことじゃないしね。
物より人の方が、大切だよね。うん。



「そんな優しいお言葉をかけていただかなくて結構です」

「エリシア!せっかくのお言葉をなんて言い方!」

「い、いいんです!ごめんなさい、余計なお世話だったよね」