・・・・・・!?
「え!?」
突然聞こえてきた異質な声に驚いて身体を起こした。
え!?
起きれるし、生きてるし、ここはいったいどこ!?
「な、な、何・・・」
「お目覚めになりましたか、姫」
ぬっと顔を出したその人は、畏まった様子で私に問いかける。
ええいま目覚めましたよ。
って、そうじゃなくて、え、何、今・・・姫って言った?
「は?あなた、いったい誰・・・ていうか、ここはどこなの?」
その人は、綺麗な黒髪のすらっとした長身。
銀縁の眼鏡をかけきりっとした瞳、固く閉じられた唇。
格好は燕尾服というのだろうか、きっちりとしたスーツ。
こんな格好の人なんて、初めて見た。
「ここは、アルバーナ宮殿の姫の自室として用意されている部屋でございます。私は、姫の教育係兼執事のジル=ルーエンと申します」
「・・・は?」
きっちりと、問いに答えているらしいが、全く意味が解らない。


